今治:廻り階段の2階リビングの家
開放的に楽しく暮らせる風の吹き抜ける家
この住まいは今治市郊外に位置している。
この住まいの特徴は何と言っても、2階に生活の中心の場を持っていったこと。
なぜならば、敷地が東西に細長くこの住まいを南隣地に近づけて配置せざる得なく、陽の光・風・視線等1階は近い将来南側隣地の建物の影響をかなり受けることが予想されたからだ。実際、南隣地との空きは1m80cmを切るものだった。
そこで2階に生活の中心の場を配置した。誰に気兼ねなく望み通りプライバシーを確保しながらも非常に開放的にのびのび生活をすることが出来るようにした。透明ガラスで窓を開け放し山々を見ながら入浴さえできるようになった。今までと全く違う新しい生活・暮らしの始まりだ。
また2階部分は障子の開け閉めで自在に広さをその時々で変えられるような空間づくりをおこなった。そこにつながるウッドデッキも家族スペースを取り巻くようにL字型に配し回遊できるように設置した。2階でありながらもお子様の走り回っている姿が思い浮かぶ。
また何と言っても“収納”には今回もこだわる。そして今回も自然素材を出来るだけ使い健康で気持ちのいい暮らしができるようになっている。
建築場所 :愛媛県今治市 / 新築 / 専用住宅
延べ床面積 :129.93㎡ ( 39.30坪 )
構造規模 :木造2階建て / 在来工法
外観・夜景
外観・夜景
外観・夜景 ポーチは鉄骨造・柱はコンクリートを巻いている。
玄関ゾーンは鉄骨とコンクリートとガルバニウム鋼板の構成でデザインに変化をもたらせている。
この玄関は玄関としての機能だけではなく納屋・土間の機能も持たせている。
私はよく勝手口に隣接し土間部分をつくる。内部のような外部のような、物置のような自転車置き場のような、そこでは色々な用途にその時々で使われる。
今回は敷地の関係、また2階にキッチンがあるため1階には勝手口なるものがない。そこで玄関の土間の部分を細長く通常よりも広く取った。そこに面して用途に合わせてたっぷりの収納を取った。ご夫婦の趣味は多彩だ。その一つのスキー・スノボー等衣服も含めるとかなりの量になる。また形状も色々。長くまた大きい。それに合わせて収納しやすいようにそれぞれの収納内部は使いやすいように作っている。
お子様が大きくなったら三輪車・自転車置き場にもこの土間はなるはず。
入って正面には大きな縦長の透明ガラスの窓がある。その向こうには木を植えライティンぐもしている。こうすることで奥深さを創るためだ。
回り階段 玄関ホールの一部に階段はある
寝室 住まい手は畳が大好き。寝室もタタミでフトン。左側の窓が二段になっているが、風は下の窓ほどよく入る。畳の上を風が流れる。蒸し暑い夜の涼しい風 楽しみだ…
家族室・2階・ダイニング
階段を上がると”わーっ”と広がるワンルームのような家族室。ご主人の趣味も料理ゆえキッチンが中心だ。天井は屋根形状に合わせて傾斜天井。無垢の杉の梁がそのまま見える何とも豪快でありながらも杉の優しさも感じさせる。
ワンルームのようにも見えるが実は各部屋・スペースには障子が仕込まれている。その障子の開け閉めで違った広さの空間が出来上がる。自分にとって一番居心地の良い空間を自分で創るのだ。
家族室・2階・茶の間
ここもリビングではなく畳の茶の間。手前の小あがりの板間スペースは奥様の書斎・作業室であり、お化粧部屋であり趣味の部屋であり、またお子様の将来の宿題部屋でもある。畳とは20cmの段差をもたせた。
バリアフリーで同じ高さにする時もあるが今回は段差を設けた。何故ならばこの段差の中に大きな組み立て式の座卓を収納するようにしたかったことと、段差がお子様がチョコット座るちょうど良い腰掛になるから。
家族室の中に色々な趣向の空間をあえて創りたいからだ。 茶の間の周りにはウッドデッキが取り巻き回遊することができる。当然子供たちは走り回ることだろう。キャッキャ キャッキャと騒ぎながら自由に。
いつも思うが、家族室ではその時々で自分の一番居心地のいい場所に陣取ることができる色々なスペース・空間を創りたいと思う。
障子の開閉による空間の変化
夕刻の家族室 茶の間の照明は今消しているが光の強弱がわかっていただけると思う。昼間の顔と夜の顔は全くと言っていいほど違う。光が演出し、創りだす。
茶の間を見る