西条:屋内離れのえる通り土間の家

借景を活かしプライバシーを保ちながらもより開放的に住まう
西条市の中心部に近くではあるが閑静な住宅地に位置する。子育て世代の家族4人の住まい。
この住まいの特徴は2階に家族みなが集まる家族室を配置し、生活の中心の場としたこと。何故ならば敷地自体は広いが敷地東及び南の隣家が殆ど隙間なく建っており非常に息苦しさを感じる。普通の通りに1階に家族の生活の中心の場を持ってくるならば、プライバシーを守りながら開放的に住むことは難しいと判断したためだ。その結果2階に暮らしの中心の場を設けた。視線の抜けを効果的に取り入れることができプライバシーを守りながらも、より開放的な空間を創ることができた。カーテン全開で太陽の光も心地よく降りそそぎ、風も家中に流れ、借景をも楽しむことができるようになった。気持ち良い生活の場ができた。
今回も断熱・通風と共に部屋の仕上げを自然素材にこだわって仕上げたため、室内の湿気が少なく、奥様から「こんなに気持ちのいい梅雨は初めて…!」と喜んで頂いてもいる。また特に拘ったのが各収納スペース。どこに、何を、どのように、どのくらい収納するか?徹底的に奥様と一つ一つ何度も打合せを行い作り上げた。奥様の収納に対する考え方と知識はかなりレベルの高いものであり私も多くを学ぶことができ感謝している。
建築場所 :愛媛県西条市市 / 新築 / 専用住宅(健康・自然志向)
延べ床面積 :190.71㎡ ( 57.69坪 )
構造規模 :木造2階建て / 在来工法


ポーチのコンクリート壁が奥の玄関先へ導いてくれる。ここも照明効果でよると昼では雰囲気が変わる。夜は落着きとエレガントさを醸し出す。


夜と日中では外観からくるイメージが全く異なる。真っ白い壁に自然の無垢の木が映える清々しいものとした。また軒の出をより深くすための連続した頬杖は特徴的だ。コンクリート壁に沿った緑はここを通る人の心を和ませたい。

玄関ホールは落ち着いた和の雰囲気を醸し出す。住宅の玄関としてはかなり広いもの。何故ならば、住宅内でありながらも離れを創り、このホール自体が通り土間。庭に直接通じている。

シンプルながらもなんとなく落ち着く和モダンを目指す。全体的に高さを低めにしている。正面、床の間壁には15cm幅の透明ガラスを取り付けており、視線が抜かすことにより閉鎖感をなくしている。そのガラスの内側には壁に引き収納できる障子が組み込まれている。照明は間接照明がベースに天井には小さなダウンライトを設置し、落着きの中にもモダンさを醸し出せたのではないかと思っている?

シースルーの鉄骨階段は出来るだけ面で見せず線で表すことによりその存在を消すことを試みる。玄関側から見ると線でしか見えない。

2階家族室・リビングからの借景の緑が美しい。正面の出窓の下の床は強化ガラスでできたガラス床。この出窓の部分にはお子様が椅子のごとく座って楽しむことももくろむ。また透明のガラス床からはどこが見えることか?
家族室の正面の壁はメインの壁だ。小さな開口部があるだけ。西面にあたるため出来るだけ夏の熱い日差しを遮断するためだ。天井の梁と梁の間はガラスを入れている。梁が内から外に出ているのが見えるため。それは内部と外部のつながりと広がり感を五感で感じて頂くため。

ガラスの床 家族室の床の一部に透明な強化ガラスの床がある。これは丁度玄関の真上。玄関ドアを開けて中に入ると真上にこのガラス床がある。家族が帰ってきた時に視覚的に1階と2階を楽しくつなぐためのもの。

ガラスの床 玄関ドアの丁度上にガラス床。2階から光を落とし込むと共に家族が帰ってきた時に気配を感じる・つなぐ。