今治・和モダンの”終の棲家”平家

今治・終の棲家・平家





風と光をつかまえる現代和風の平家



この住まいは既に定年退職されたご夫婦のための建替えである。周辺環境は今治市の中心部に位置しているために東・南・西面には敷地境界線ぎりぎりで商業ビル・福祉施設・工場及び住宅が建っている。敷地内には既に使われていない住宅が建っており敷地目いっぱいに住宅が二軒建っている感じだった。住まわれていた家は間取りも複雑でどの部屋も暗くじめじめした風通しのよくないものだった。住まい手の要望も ”とにかく明るく風通しのよい気持ちいい生活がこれからはしたい” というものだった。


そこで不要な建物もすべて解体撤去し敷地全体をすっきりとさせ風通しの良い敷地とした。太陽の光は午前中はビル越しに高い位置に入ってくることが分かった。そこで高い位置からの直射日光の採り入れを行いまたより奥まで光を届けることを目指した。南側には道路を隔てて福祉施設があるために出来るだけ北側に住まいを配置し南側を開け出来るだけ建物越しに陽の光が頂けるようにした。西側は背の高い工場が隣接していたため午後2時以降ぐらいからは直射日光は入ってこず真夏の西日対策には丁度いい。西側はあまり建物間隔を開けずに配置することにより風の通り道をつくり風を採り入れやすくした。


間取りは今後の加齢も考え生活空間を出来るだけコンパクトに、よりシンプルなものとした。南にリビングと和室を配しそこから北に広い廊下を通し南北に抜ける空間を創った。この廊下は大事な空間だ。それぞれの室をつ結ぶだけではなく重要な意味を持っている。まさに光と風を採りこみ、それぞれの空間に送り繋げるものである。天井を高く吹抜け状にしそこに高窓を取り十分な光と風を採る。またその高窓の廊下を隔てた反対側の室内壁に大きな窓を設けそこから光をダイニング・キッチンに届ける。より奥まで光を届ける。もちろん風の通り道にもなっている。


この住まいは出来るだけコンパクトとした。より質の高い、より性能の高い住まいをつくるために。より生活動線をシンプルなものとするために。それはより高い耐震性・断熱性・気密性・素材性等を確保することである。それらは ”冬暖かく夏涼しい快適さ” をつくることになる。限りある予算をどのように配分するか。つまり ”小さく建てて質の高い住まいをつくる” ことはとても大事なことと思う。


今回もまた自然素材にこだわった家づくりとしている。


”光を奥まで導く高窓効果” 工夫・詳細





建築場所    :愛媛県今治市 / 新築 / 専用住宅
延べ床面積  :106.90㎡ ( 32.33坪 )
構造規模    :木造平屋  / 在来工法







今治・終の棲家・平家

朝日を採りこむ高窓。透明のアクリ板がはめ込まれている。






今治・終の棲家・平家

キッチンの奥まで朝日が届く。






今治・終の棲家・平家






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家に居ながらにして一日中空が見える空間。






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和室は障子で家族室とつなぐ。






今治・終の棲家・平家
障子は全開放できる。






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大事な役割を担うホームギャラリー。風の通り道でもある。






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光の採り入れ口。この高窓からの光はキッチンの奥まで届く。





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玄関戸内側には木製網戸を取り付け。






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ホールの上からは光が降り注ぐ。





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