トス設計の家づくりの流れ

1.ヒアリング

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■あなたの今の希望は何なのか。十分お話を聴きかせ頂き、更に高みへと導く。

あなたの希望・憧れの暮らしは何なのか一緒に明確にしていくのがヒアリングの目的の一つ。
あなたの『今の夢をこえる夢の実現』をどのように提案し実現していくのか…が私どもの役割。 



初めてドアを叩いて入ってきた時の憧れのイメージと最終的な具体的な目に見える形としてのギャップ。
そのギャップが大きければ大きいほどあなたはきっと感動し・喜び、そしてあなたは最高の笑顔になる。

私たちが一番望み、大切にしていること。



そのために、あなたのお話を充分お聴かせ頂きます。そして色々な質問もさせて頂きます。

 「○○したいのだけど…」という中には「何故ですか?」と質問すると、具体的に言葉に出来ない場合もあります。
本当は自分でも気づいていない理由が心の奥に眠っているのに…。

その隠れた理由をいかに引き出せるか。
これがとても大事なんです。

引き出せるからこそ「だったら□□のようにしてみませんか…!」と提案できる。
今まであなたは想像もしなかったこと、自分でも知らない望んでいたもの以上のものを提案されて驚くはずです。

それは今まであなたの気づいていない知らなかった世界かもしれません。

 「そうそう。そういうの!」 テンションは上がり、あなたの思い描いていた暮らしのイメージも一気に膨らんでいく。
ワクワク・ドキドキと話も盛り上がり楽しいものになってくる。

 こんな感じがいつもの私どものヒアリング。

このワクワク・ドキドキ感が連続して次のステップの基本設計の打ち合わせでも続いていく。

2.敷地を読む

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■”敷地を知り・理解する。目に見える特性。目に見えない特性をも。

敷地を読む”とは、法律的な敷地の持っている特性を調べること。
その敷地に出向き、現地での自然環境・周辺環境の特性を調べ、肌で感じ、この計画においてどの特性を生かし、どの特性特性に意しないといけないか把握すること。

あなたの夢を具体的に形づくる上でなくてはならない非常に大事なことです。通常 ヒアリングと殆ど同時に行います。


特に大事にしているのが

  ・陽の光が十分差し込むか否か。その方向は。

  ・風はどの方向から吹いてくるのか。季節によっての違いは。

  ・気持ちのいい視界がどの方向に抜けているか。

                              等々です。


近隣周辺の環境や、敷地の持つ特有の自然環境等を調べ実際現地にて「肌で感じる」ことです。

・敷地の静寂さ
・防犯上の安全性はどうか
・水害の影響はないか
・暮らしに必要なお店・学校や施設が近いのかどうか
・お隣さんはどうのような状態か等々…

住みよい環境か否か、また敷地が持つ特有の自然環境の特性を知ることは非常に重要です。



  中でも私は

    ・光の差し込む方向、

    ・風はどの方向から吹いてくるのか、季節によっての違いは?

    ・気持ちのいい視界がどの方向に抜けているか、

     等々知ることをとても大事にしています。



ヒアリングで明確にした要望を具体的な空間・器として形にしていく上でこれらの特性をしっかり把握していなければ、あなたの要望を満たすことはできないと私は思っているからです。 
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例えば“自然の風が気もちよく入ってくる家にしたい”と思っても、その敷地でどの向きから風が吹いてくるのか?
季節・朝夕での風向きの違い等、分かっていなければ実際に風が入ってくる家は実現できません。

それはただ単に窓を取れば風が入ってくるというものではないからです。

それを実現するためには、その特性を頭に入れながら間取りや窓の配置また窓の開け閉めの形状・形式を適切に選択する必要があります。

いくら窓をとっても、外に風が吹いていても、それらを適切に選択しないと全くと言っていいほど風は入ってきません。
また気もちよく暮らすには、隣の家の窓の位置・高さの状況を知ることも非常に大事です。
それはお互いの生活の中で視線がぶつからないように窓の位置に心配りをしお互いに気もちよく暮らすために必要なものだから。 

このように具体的にあなたの夢を形にするプランやデザインを創っていく上で敷地を読むことは必要かつ非常に大事なことです。

3.基本計画・プランニング

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■夢をを具体的な形として表す

敷地の特性が分かり、ヒアリングによって『憧れの暮らし・夢』のイメージが出来ました。
それを具体的に目に見える形として、その夢を更に高めるものとしてのラフなプランやデザインを充分検討し基本案をつくります。これが基本計画です。私が家づくりで一番大事にしているところです。

これは『憧れの暮らし・夢』を実現するための具体的な間取りや形です。
この基本計画を十分に検討して「これがいい!」と納得したものが出来て初めて次の実施設計・詳細な設計に入ることができます。

ですから時間も十分掛にかかります。
お互いに納得するまで意見の交換をし、憧れの暮らしのイメージをより深く考えればプランも適切なものへと変化前進することができるのです。

場合によっては何度も何度もつくる場合もあります。
潜在的に欲しいものが少しずつ形になっていく。

この段階が具体的に家をつくる、『夢を形に』する上で一番大事で重要なところです。

なぜなら、この計画が今後のあなたの家づくりの全ての基本になるからです。
もしこれが十分検討されず、あまりワクワク感がなかったり、この段階で
”まあ いいか。。。”
というような相手任せで、充分納得できていないようなものでしたら、あなたが満足できる家を手に入れることは難しいと思います。

充分時間をお掛けください。
いや、どうしても掛かってしまうはずです。

この段階では私は手描きでおこないます。頭の中で自由に発想できるからです。

手を動かしながら、あなたになったつもりで色々な暮らし方を頭の中で想像します。

どうすれば使い勝手がよく、どうすれば家族みんなが楽しく、どうすればあなたの望をベースにそれをこえる新しい暮らしを提案できるか。。。等々です。

ここではあなたの様々な要望を実現するために、色々な動線を要素を組み合わせ、多くのことを実現させるために。

この段階は、楽しくも苦しい作業。
ただ正直に気に入らないものは気に入らない、納得できないものは納得しないでいいのです。
納得頂くまで何度でもつくり直し、最後は気に入ったものが出来てきますので。

3.実地設計

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■基本計画に基づき建物のより細かい、具体的な詳細な図面を作成いたします。

収納の形式や棚一枚までの大きさ、寸法、また内装、外装の素材を一つ一つ決めるなど、詳細なところまで詰めていきます。

建物本体の図面のみならず電気や給排水、エアコン、庭や塀等の外構工事等、実際に工事を行うために必要な詳細の図面一式を作成いたします。このプロセスが実施設計となります。全部で50枚以上になります。

この段階でも何度も意見の交換をさせて頂きより適切なものへと進化を図っていきます。

敷地の特性でつかんだ風の吹く方向や光の方向を具体的に考え、窓の位置や開閉の方法・大きさ等も決めるのもこの段階です。

また
・建物の強さ
・頑丈さ
・長持ちに対する工夫
・より広く感じさせる工夫
・湿気に対する対策
・健康に対する工夫
・内と外をつなぐ工夫
・部屋と部屋をつなぐ工夫
・より使い勝手の良い工夫、等々。。。

それらは より ”あなたの穏やかで快適な暮らし” を実現させるための工夫となります。

この段階も何度も住まい手と意見の交換をさせて頂き,
より適切なものへと進化を図っていきます。

4.施工費の見積り

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■複数の作り手・工務店さんへの見積依頼。


同じ実施図面を同一の条件、書式、期日で複数の作り手・工務店さんに同時に依頼いたします。

これは最終的な“作り手選び”の価格という大きな要因となります。


私共では実施設計図面をもとに複数の作り手・工務店さんに見積もり依頼をさせていただきます。


複数社の比較検討をすることで、より適正な価格を見出せますし、お客様にも分かりやすく、納得してもらえる状況が創れるからです。

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今の時代はどこの作り手・工務店様も真剣に価格を出して頂けます。

しかし各社で同じ図面を見積りながらも、かなり価格差が出てくる場合もあることも事実です。


また複数出すことにより競争意識がより高まるのも事実です。


各社自前の見積書の形式、項目のくくりは違うため、見積書を比較検討するうえで大事なことは

”統一したくくり・書式・条件等”

が必要になってきます。

5.施工会社の決定

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■業者さんの決定と予算に合わせての工事内容の調整。
また業者さんと工事契約を交わすお手伝い。

どの工事業者さんを選ぶかはお客様の自由です。

私どもは客観的な目で、見積内容の確認をし、お客様の立場にて適切な選択のためのアドバイスを行います。
また最終金額決めの交渉をお手伝いもさせて頂いております。

基本的には上述の複数の見積り依頼した 作り手・工務店 さんの価格等を検討考慮させて頂き、お客様が納得できる業者さんを決めて頂きます。
この時には単に価格というだけではなく、実績、社会的信用、地域性そして住まい手と業者さんとの相性ということも大事にして頂きたいと思います。
それはより良いコミュニケーションを図ることが出来るかどうかに繋がり、ひいては最も大事なお互いの信頼関係が築けるかどうかに関わってくるからです。

「作り手との信頼関係なくしては、住まい手の満足できる家はできない」と私は考えています。

単に金額の違いだけで業者さんを選ぶのは危険だと思っています。
そこにお互いの信頼関係が築ける相手かも見極めた上で決定して頂きたいと思います。

また業者さんとの最終的な工事金額を決定する上で、希望予算と見積もり価格がずれてくる場合もあります。
ほとんどの場合が当てはまると思います。

その場合”予算とそれに見合う工事の内容の調整” が必要となって参ります。必須のことです。

大事なことは「どんな暮らしを実現したいのか。。。」 という原点に立ち返っての変更・調整です。

逆にこのことが充分わかっていなければ、単に価格を下げる項目をあげつらって 「〇〇をやめましょう」 「□□のグレードを下げましょう」 と設定金額の帳尻を合わせても、出来上がった住まいで満足する暮らしは叶わなくなってしまいます。


私どもは基本計画に入る前からのヒアリングや実施設計での打合せ等で 「住まい手がどのような暮らしがしたいのか」 「その価値観はどこから来るものか」 をじっくり時間を掛けお互いに充分理解させて頂いています。

ですから住まい手の夢を実現するための優先順位が設計者としてしっかり分かっています。
つまりしっかりした 「判断基準」 を持っているということです。
今治 アジアンテイストのコアハウス風の家
その上で 
・ここはどうしても変更してはいけない
・ここは絶対削ってはいけない
・ここは変更や場合によってはなくてもいい
といったことが 大胆に出来ながらも、住まい手にも納得してもらえ価格を抑えるお手伝いをさせて頂くことができるのです。

正直、結構きつい作業となりますがこれをせずして、住まい手の完成後の思い以上の暮らしは難しいと思っています。


改めてではありますが、家づくりの基本でも申し上げましたが、まず 「どのような暮らしがしたいのか。。。」 ということが大事であると共に、それを引き出すためのヒアリング・基本計画が大事です。


家づくりというのはその時々で多くの選択と決断をしていかなければなりません。その繰り返しともいえるでしょう。それらの判断基準が何度も言いますが 「どのような暮らしがしたいのか。。。」 です。 


家づくりの原点をあなたも是非忘れないようにして頂けると大変うれしく思います。

6.工事監理

■工事監理とは、基本的に現場に足を運び、図面通りに施工されているかを客観的な目・立場をもって是々非々でチェックすること。

                                                  

また、住い手より変更の希望が生じた場合、作り手とそれに伴う図面の作成や金額・工事方法・日程等の調整を図り明示し、その希望の実現のお手伝いを行う。

 

それと同時に住まい手の目・立場をもって、更に 「望みの暮らし」の実現するための よりよい工夫を提案し具体的に実現していくこと。

 

また工事の進捗状況や変更追加等に関する予算の監理。

そして工事中における質問・疑問に答たり、作り手に対する言いづらい注文や苦情に関すること等の精神的な部分のフォローを行う等々です。

 

具体的には基本的に現場にて最低週1回、施主さんの参加可能な日時に合わせて定期的な打ち合わせを施主さん・作り手・私どもと綿密に行います。


現場では図面通りに作業が行われているか~のチェックというだけではなく、机上では最善と思われたようなことでも実際の現場で”五感を通して見たり感じる”と更に良くするための工夫や改善点も見えてくるものです。

また現場で、実際の確認事項も多いものです。

例えば
・隣家との窓の位置関係を考慮して窓の位置・高さ・開閉方法、ガラスの透明か否か等の確認。
・コンセントやスイッチの位置関係。
・照明器具やエアコンン等の位置関係・取付高さ。
・造り付け家具の詳細。特にキッチン等の収納部のカウンターの奥様が使いやすい高さの決定。
・収納物の確認とそれに合わせた収納方法の確認。
・棚板一枚一枚の寸法や高さ等々。

細かいことですが特に奥様の身体の特性(身長・右利き左利き等々)に合わせて具体的に確認調整することが特に大事です。
ほんの数センチの高さの違いによっても使い勝手は全然違ってまいります。

これらを現場にて一つ一つ、住い手の立会いのもと具体的に確認・調整していきます。
そして最も住い手に取って使いやすい状態を都度作り上げていきます。
これらの確認にはかなり時間が掛かります。

しかしこの確認なくして本当に住い手が心地よく使い勝手の良いものは提供できないと思っていますので必ず行います。

7.完成検査

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■工事が完了後、住まい手にお引き渡しの前に建物全体の細かなチェックを設計監理者として行います。


不具合があれば作り手に指摘し、是正を求め改善して頂きます。


工事中に都度チェックはしていますが法的に必要な図面通りの仕様・寸法になっているか等。

また改めて住まい手にとって安全性で問題があるところはないか、雨漏りの原因となりやすい箇所の適切な処理はできているか、仕上げで汚れていたり不具合のあるところはないか、サッシやドアの開閉はスムーズであるか、照明器具の明るさはどうか、設備機器は指定のものが入っているか等々の確認を工事関係者(建築、電気、給排水、各機器業者さん等)立ち合いのもと行います。


不具合あらば引き渡しの前までに作り手に指摘し是正して頂きます。

 

私どもの検査に先立ち、業者さん自らの社内検査を事前に行い自ら気づいたところは是正して頂いています。

最終的には行政の完成検査を受け検査済書を頂き検査は完了となります。


その後に住まい手と共に引き渡し前のそれぞれの確認をして頂き、引き渡しとなります。
また引き渡し時には業者さんのもと各メーカー担当者に集まって頂き各設備機器の使い方・取扱説明をさせて頂きます。
床暖等季節外れの場合は必要あらば再度使用される時に説明に伺って頂いています。

余談ですが、引き渡し数日前に一日通しての完成した住まいの写真撮りを行います。 
一日かけての撮影は太陽の位置で光の入り方が違い都度内部の表情が違うからです。
夕刻からはすべての明りを灯しての配光の確認と共に夜景を撮影いたします。
間接照明での空間づくりは日中の雰囲気とは全く違うと言っていいほど、だんだん暗くなると共に柔らかで穏やかな落ち着いた雰囲気を醸し出します。
そんな中撮影も終わり灯りを一つ一つ消して周りが暗くなっていく時、今までのことが“ふっと”頭の中を過ぎりいつもながらとてもセンチで寂しい気持ちになってしまいます。
今治 廻り階段の家

住まい手との初めての出会い。


ワイワイ・ガヤガヤと楽しくお互いの意見を交わしながら時には意見の食い違いもあったりのヒアリング。


どうゆう風にすれば住まい手の喜んでもらえる暮らしができるのか、その空間のイメージがなかなかできずに苦しみながら、もだえながらの基本計画。


最終的には目を輝かせとても嬉しそうに「そうそうこういうものが欲しかった。。。」と喜んで頂けた住まい手の笑顔。

そして苦労した予算とのすり合わせ。

現場での業者さんと何回も何回もの打合せ、時には意見の食い違いもあった等々。

苦しかったこと楽しかったこと、そのすべてが楽しい思い出として蘇ります。

 

明日で引き渡し。。。
なんか大事な娘を嫁に出すようなとても寂しい心境になってしまいます。毎回のことながら。。。

 

そして最後のあかりを消してドアを閉める時には

ただただ「ありがとうございます」と感謝の気持ちしかない。


“こんな素晴らしい機会を与えて頂いてとても良かった。幸せだ。”

8.アフターフォロー

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■完成引き渡し後も建物ある限りのフォロー


住まい手への建物の引き渡しの時には当然のことながら数日前の寂しさは当然ない。

むしろ住まい手の嬉しそうな顔を見ていると私まで嬉しく、幸せの気分にさせて頂ける。

同時に “ほっと” とした安ど感も覚える。


私の感覚では引き渡しの時はまだ建物は「家」という感じだ。

まだ人のぬくもりや暖かさは感じられない。

むしろなにか冷たささえ感じる。


引っ越しも終わり、そこでの暮らが始まると、お手持ちの家具が入ったり色々なお気に入りの物が置かれたり飾られたりと段々とその家庭の “らしさ” が自然と出てくる。


事実1週間後、1か月後、3か月後、1年後・・・と訪問させて頂く毎に“らしさ”がどんどん感じるようになってきて訪問するのが楽しみになってくる。


3年も経ったらもうすっかりそのご家庭ならではの”あじ”のある暮らしの空間になっている。


その時「家」から「住まい」になったと私は感じさせてもらえる。

私どもの基本のコンセプトは「穏やかで健康的で快適な家づくり」でどの家も変わらないのだが、その家庭家庭の望みの暮らしが違い、それを実際に行っている。

当然のことながらその「住まい」は一軒一軒個性的なものとなってくる。

「暮らし方」はすごいなと改めて感じる。”暮らし方”によって「家」がどのようにも変わっていく。。。


ただ、その今気に入っている暮らしも、お子様の成長、家族の事情等で時ともに変化してくる。

その暮らしの変化に対して「住まい」も変化・適合せざる得ない場合も出てくる。


だからこそ「家」が完成したから私どもの仕事が終わったのではなく、建物のある限り、そこでの住まい手の暮らしの変化に合わせてのサポートをさせて頂く必要があると心得ています。


完成後、年数と共に不具合等が出てきた場合も、作り手と共に対処させて頂きますが、ここまで綴ってきたような暮らしに合わせた変化に対応することも、設計者としての大事なアフターフォローの一つと考え実践させて頂いています。


今までのお客様にまだまだ充分なアフターフォローはできているとは思いませんが、こうした考えのもと、出来る限りのフォローをさせて頂きたいと決意しております。


以上 私どもの仕事の流れを長文ではありますがご説明させて頂きました。


ありがとうございます。