松前町:風と光をつかまえる家

松前町・風をつかむ家





空間の大きさ・用途を変えられる 風と光をつかむ家


愛媛県松前町の新興住宅地の一角に位置している。家族4人の子育て世代の住まい。

この家の特徴はできるだけ間仕切り壁を設けずに開け閉め自由な建具にて、必要な時に必要な空間の広さを適宜創り出す。その時その時の一番居心地の良い空間を自らつくる。

プラスαの空間はリビングの一部にもなり、障子を閉めることによって決して広くない玄関に続くく広いお客様を迎えるホールとなる。さらにその部分は収納スペースとしても使われる。つまり用途変がわってくる。

一つの空間が大きくなったり小さくなったり用途も変わったりと自由にできることである。

気持ち良い自然の風は敷地・建物と平行に吹いていた。通常の窓の取り方ではあまり風は入ってこない。積極的にその風を捕まえる工夫を行い採り入れることとした。朝夕とその風向きは変わる。

キッチンは北側に配置してあるため直接の光が入りずらい。光を採る工夫を行う。

この敷地の風の向きをしっかり把握し風が十分流れる通風計画を行う。

仕上は自然塗料も含め自然素材中心で健康にも十分配慮。

断熱性・気密性にもこだわり ”冬暖かく夏涼しく”を創り出す。






建築場所    :愛媛県松前町 / 新築 / 専用住宅
延べ床面積  :123.36㎡ ( 37.31坪 )
構造規模    :木造2階建て  / 在来工法
仕様       :床・杉無垢板  壁・漆喰塗  天井・紙張り  塗料・自然塗料






松前町・風をつかむ家

外観  軒をかなり深くとる。より駐車場、植栽スペースをより広く取るためにバルコニーの先端に柱は築けず。
松前町・風をつかむ家

広いポーチ  敷地がコンパクトなためにポーチの屋根を大きくし自転車置き場、井戸端会議の場、収納スペースと用途を兼用させる。







松前町・風をつかむ家

リビングの風をつかまえる装置
上下二段のアルミサッシ。上の段はドアのように外に向かって開く。その開けた扉に風をぶつけて室内に採りこむ。隣の窓同士は開らく方向を互い違いにしている。

つまり右左互い違いに。それは朝夕で風の吹く方向が左からと右からとで変わるからだ。それに合わせて開ける窓は違う。下段の窓は開けすぎると外で遊ぶ子供たちにぶつかる可能性がある。それゆえ窓の下端を外に突き出す形式としている。






松前町・風をつかむ家

ダイニング中心の家族の集まる場
この場所は障子を開け放つとワンルームのようになる。それぞれの空間は繋がる。ダイニング・キッチン・和室・スタディーコーナー・リビング・プラスα?の空間等々。自分のその時々で一番居心地のいい場所にて家族それぞれが過ごせるスペースをつくっている。






松前町・風をつかむ家

障子を締め切った状態。奥にキッチン。
奥のキッチンは北にある。にも拘らず自然光でこの明るさ。






松前町・風をつかむ家

障子を開け放なした状態。





松前町・風をつかむ家

障子開放時の状態。






松前町・風をつかむ家

和室側の障子を開け放した状態。





松前町・風をつかむ家

プラスαの空間とLDの障子を開け放した状態。

奥に見えるのが玄関。そこにもひき障子を備えておりそこを閉じるとこの空間はLDの一部である。






松前町・風をつかむ家

キッチンは北位置にある。また敷地北となりは造成地であるために近い位置に隣家が建つ。キッチンの明るさを保つために通常の窓の位置に窓を取り付けてしまうと窓を開け放つときに気になる。本当は北側にあるため大きく開口は欲しい。工夫をする。






松前町・風をつかむ家

キッチン・流し台背後の収納壁に出窓状態をつくり光と風を採りこむ工夫をする。

屋根を透明のガラスとし明かりを隣家の視線を気にせずに上から入れることとした。風は両サイドに開閉できる縦長の窓を設置し開放しても隣家からの視線を遮るように工夫する。住みだしてからの隣家との視線はできるだけ交わらないほうがお互いのために良い。






松前町・風をつかむ家

ワークコーナー  ここは家族みなのスペース。誰が使ってもよい場所。






松前町・風をつかむ家

正面はプラスαの空間。壁面収納になっている。






松前町・風をつかむ家

和室もに面共に開け放つことが出来る。

松前町・風をつかむ家

ウインドキャッチャー
正面雨戸のように見えるのがウインドキャッチャーとして取り付けたものである。脱着可能で角度を変えられるようにしてある。

これは窓と平行に流れる風をこのキャッチャーにぶつけて風を室内に導くもの。脱着可能で使用して以内時には外しバルコニーの手摺壁に引っ掛け収めている。ただもう少し軽く脱着が簡単なように改善の余地はある。






松前町・風をつかむ家

物入・湿気対策
収納内部壁は無垢の杉板で一度石膏ボードで壁を張った上にスノコ状に隙間を設けて取り付けている。布団等収納物が入っても内に空気が回るようにしてあるものである。

窓の外にあるのがウインドキャッチャー。
松山 風をつかまえる家

数年経ったポーチ  機能優先で全面コンクリートで覆うのではなく、たとえ10cm幅でも土を残しておくとそこには緑のラインができる。
松山 風をつかまえる家

駐車場確保のため庭は当初からなしとしていた。ただほんの小さなスペースでも緑を植えるスペースを確保するととても心安らぐ。

広くないポーチでも現在では緑が育ち十分帰宅時や通行人の心を癒してくれる。