私が「暮らしの備え」として考えるのは次の4つです。
- ストレスなく家事を行うための備え
- 家事以外の、家族の動きをスムースにする備え
- 収納の備え
- 家族のつながりをつくる備え
これらの備えはバラバラにあるのではなく、それぞれがつながっています。
そうしたつながりも意識しながら、ひとつずつ、これらの内容について述べていきます。
私が「暮らしの備え」として考えるのは次の4つです。
これらの備えはバラバラにあるのではなく、それぞれがつながっています。
そうしたつながりも意識しながら、ひとつずつ、これらの内容について述べていきます。
冷蔵庫、食材の置き場所、食器の収納場所、調理器具 の収納場所、調理台、調理途中のお鍋やフライパンの置き場所、盛り付けるお皿などの置き場所、シンク、食洗機、ダイニングテーブルなどが調理作業の手順に 合わせてきれいにつながれば、料理が楽しくなることは間違いありません。きっと「もっと美味しい料理をつくるぞ!」と思うようになります。
洗濯に関しては、やはり何といっても洗濯機と物干し場所との移動距離を短くすることが最大のポイントです。
また洗濯機周りに十分な「洗濯物を入れて おく収納」は不可欠ですし、それは来客した人から見えないようにしておきたいものです。
洗濯に必要な洗剤や小物類をスムースに取り出し、また仕舞える収納 を備え、洗濯した物をそこでうまくハンガーなどに干せるための工夫も備えておきたいところです。
もちろん、物干し場所は日差しが当たり、風が通るところに「できるだけ広く」設けておきたいものです。
また布団やシーツのような「大物」を干す場所も確保しておかなければいけません。
布団を干す場所はやはり寝室に近いところに設けるのが基本です。
掃除と密接に関係があるのが「収納」です。
収納計画がうまく行けば、モノが片付いて掃除がしやすくなりますし、掃除をしながらチャチャっと片付けができます。
さらに付け加えれば、そもそも部屋に家具が少ないほうが掃除もしやすいですし、すっきりとした部屋に維持できます。
「掃除」や「片付け」という視点で見ても、収納計画やプランニングの重要性が浮かび上がってくるわけですね。
ここまでの話でもわかるように、収納は「暮らしの備え」の中心的な役割を果たしています。
すでに述べた内容も含め、「収納論」について整理してみましょう。
暮らしに必要な「モノ」には、それぞれにその使用頻度があります。毎日使うもの、週末になると使うもの、季節が変わると登場するもの、来客 時にしか使わないもの、ほとんど使いそうにないけど取っておきたいもの、などです。こうした使用頻度に合わせて「どこにどうやって仕舞うか?」を考えるの が収納計画です。
新しい住まいを考えるときには、まず家族が持っている「モノ」を使用頻度別に分類します。
改めてこうした作業を行うことで、処分したほうがよいモノやリサイクルに回すべきモノが見えてきます。
これも新しい家づくりの大きな特典です。
この作業が済めば、新しい家に持ち込む収納家具を把握しながら、
暮らしの動きに伴うモノの動きをとらえ、最良の“仕舞い方”を考えていきます。
こちら側(設計者側)は、「収納スペースとして活用できる場所」のネタをたくさん持っています。
このネタが詰まっている“引き出し”から、その住 まいに最良な収納のあり方を提案していくという順番になります。
この提案はかなりの確率で住まい手に「感動」を与えます。その様子を見るのは、設計作業に おける小さな喜びでもあります。