新プロジェクト:店舗付き二世帯住宅 ”暗”から”明”を創り出す
”光と風を採りこむ家”
”暗”から”明”をつくりだす
既に工事は始まっている。
このプロジェクトは今治市の中心部に位置し
古くなった建物を取壊しての建替え。
物販の店舗と二世帯が住むための併用住宅である。
街の中心部であるため東側の大きな通りに面する以外は
隣の建物がギリギリ建っている。
建て替え前はどの部屋も暗くじめじめと風通しも悪い
状態だった。
また小売り店舗空間と親子二世帯の住空間とが
機能的にうまく結びついていない状態だった。
小売りには家族全員が関わっている。
日中は祖父母様も毎日店舗に手伝いに来られる。
そして夕食時には三世代が集う。
ゆえに、
建物のテーマは
いかに ”光と風を採り入れ快適な空間” をつくるか
特に ”暗”から”明”をつくりだす か
また ”店舗と住空間”
”親世帯の住空間” と ”子世代の住空間”
”内部と外部空間・自然とのかかわり” 等の
”心地よいつながり・つなぎ” をいかにつくりだせるか。
しかも ”つながり” と同時に大前提として
それぞれの空間はそれぞれを使う人が
それぞれに快適で心地よいものでなければならない。
そこには
”目に見えるつながり” ”目に見えないつながり”がある。
結構タフなテーマだ。
具体的な解決策の形として
建物の中心に大きな通り土間空間を築ける。
その空間にて店舗部分と住空間部分を明確に切り分ける。
同時にその土間空間の中に親子二世帯の別々の入口(小玄関)
及び店舗へ続く入口を設けた。
共通の収納スペースも確保した。
機能的なつながりがそこにはある。
この通り土間空間の先には建物をえぐり取り
青空の望めるテラスを設けている。
そこは周辺外部からはどこからも見えない。
ただ 上から 光と風 を頂くだけ。
四角に切り取られた空間からは
いつも青空と星空が誰にも邪魔されず見ることができる。
その空の色、空の高さからは
朝夕と四季の時間の移ろいをも感じさせてくれる。
テラスと通り土間の空間は単に機能的な利便性だけではなく
光・風・青空・星空 と 自然とつながることで、
そこに集う人々の心に快適さと心地よさを
プレゼントしてくれることだろう。
このテラスだけでは実際には光が奥まで届かないところがある。
今回は”暗”から”明”を創り出すために
色々な工夫を試みる。
窓からの光は期待できない。
二階の屋根からの光を採り入れる。
更には二階の床をガラス床としてその光を一階まで届ける。
上からの明るさは小さな開口部でも想像以上に空間を明るくしてくれる。
手前の明るさよりも奥に見える明るさは、
感覚的により明るく感じさせてくれるものだ。
同時に空間の広がりも感じさせてくれる。
工事は着々と進んでいるが
どれだけイメージ通りに光と風が届いてくれるものか。。。
楽しみだ。